研究科長挨拶

ご挨拶

 大学院は「学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする」(学校教育法第99条第1項)ために設置されており、大学院生は当然ながら、各自の専門を深く掘り下げて新たな知見を得ることを主目的として、学修・研究に励みます。

 

 一方で、科学・技術の発展や経済のグローバル化などによる社会の激変は、人文科学、社会科学、自然科学、あるいはそれらの複合領域を問わず、パラダイム(ある時代やある専門分野で支配的な、ものの考え方や認識の枠組み)の再考や転換を迫っています。

 

 このような時代には、狭い専門分野に閉じこもった学修・研究だけで専門を深めることはできません。今日、学問に携わる人々には、広い視野と物事を総合的に捉える視点を持ち、諸科学全体の中で自分の専門を相対化することが求められています。そして、このような姿勢こそが、自分の専門の位置づけや社会的意義を明確にし、斬新な着想へと導き、専門を深めることに繋がっていくのです。

 

 人文社会科学研究科は、人間・文化・社会・環境にわたる幅広い分野を扱っており、広い視野と総合的視点を培かうのに最も適した場です。ここでは、自分の専門の学修・研究を中心に置きつつ、他分野の科目や総合的視点の育成を目的としている科目を学び、真の意味での「専門深化」を図ることができます。他分野の大学院生との討論や意見交換は「専門深化」をさらに充実したものにします。

 

 東日本大震災から4年以上が経過しましたが、被災地の復旧・復興の過程において、様々な分野の「知」が協力・協同していくことの大切さが明らかになっています。このことにも鑑み、本研究科では今後とも「広い視野と総合的視点」に基づいた「専門深化」を追求していきます。





 

2015年4月1日

人文社会科学研究科長 横山英信