人文社会科学部研究室探訪●Part11(vol.1)page2

教授 松林 城弘001
教授 松林 城弘002
教授 松林 城弘003

Profile
MATSUBAYASHI Kunihiro
同志社大学文学部英文学科【学士】、兵庫教育大学大学院学校教育研究科教科領域教育専攻言語(英語)コース【修士】


言語習得論と言語教育学習論の研究を通して、今後実現したいことなどはありますか

 先に話した通り、今は時代の流れとして小学生から英語学習を開始するということになっています。学習を始めるにあたっては、見たり聞いたりということを中心にして、文法はあとからで良いのではないかという意見もあるのですが、私は小学生から文法を学ぶことが必要だと考えています。しかしながら、文法が難しいのは事実です。そこで、例えばイメージで理解できるような方法を考えたいと思っています。現在完了形や不定詞も、コア文法で分かりやすくすれば感覚で身に付くのではないかなと。その効果的な教え方を探っていきたいですね。
 もともと私は中学校・高校で英語を教えていて、そのうちに言語学習のメカニズムに興味を持ち大学院で研究を深め、高専で教壇に立った後ここ岩大に来たという経緯がありまして、一通り教育機関を経験してきたのですが、小学校で教育に携わったことがありませんでした。ですので、今力を入れている研究を進めることで、小学校にも英語教育という面で貢献できればという気持ちです。

これから岩手大学で言語習得論・言語教育学習論を学びたいと考えている高校生の方へメッセージをお願いします

 大学に入ってのびのびと自分の研究をするために、高校生のうちからさまざまなことに疑問を持ち、考えることが大事です。特に英語学習をする上では、単に語句や文法などを暗記するのではなく、「なぜ不定詞を使うのか」「現在完了のhaveとは何か」といったように、常に疑問を感じながら学んでほしいですね。そういう姿勢があれば、入学してから楽しく興味を掘り下げていけると思います。



<学生のコメント>

○4年Aさん
 もともと海外に関心が高かった私は、高校2年生でアメリカへホームステイに行き、3年生でも別のプログラムで渡米しました。岩手大学に入ってからは交換留学制度を利用し、2年生から3年生にかけ約1年間アメリカの大学に通い貴重な経験をさせていただきました。授業も全て英語ですし大変な部分もありましたが、現地の人と交流もできて充実した1年になったと思います。これからこの大学に入ろうと考えている方にも、交換留学はおすすめしたいですね。
 今私は脳と言語習得について興味があり「言語臨界期仮説」をテーマに学習を深めています。言語学の研究は教育分野に結び付いているため社会にも貢献できますし、自分自身の言語学習に役立てるという意味で個人の目標にも重なるものです。就職してからも、ここで培った知識と英語力を生かして活躍していきたいと考えています。

○4年Bさん
 希望する進路として、教師になりたいという思いがありまして、英語を言語学的に学びながら教職免許が取れる人社を選びました。松林先生は中学・高校の教師のご経験もあり英語教育に精通していらっしゃるので、特に私のように英語教師を目指す学生には的確なアドバイスをしてくださいます。先生は授業で小話をはさむなど、親しみやすい人柄だなと思いますし、友情に厚く人間的にも尊敬できる方です。今私は、英語教育の現場において、いかに理解しやすい教え方ができるか、ネイティブとコミュニケーションをとれるまでの力を身に付けさせる指導ができるかといった方法論を研究しておりますので、将来は学校で実践し、松林先生のように生徒に憧れられる教師になれればと思います。
 教育方法は時代によって変化していきますが、その中で何が効果的なのか、どう改善していったら良いのかを追求し続けたいですね。

○4年Cさん
 高校が英語など国際教育に力を入れる学校だったので、大学でも引き続き国際文化・言語学について学びたいと思いました。実際勉強をする中で感じるのは、言語学というジャンルは形態論や音韻論など幅広い知識を必要とする学問であるため、まず言葉の認識を広げた上で、徐々に自分のテーマを絞り目標を持って研究することが大事だということです。それから、外国語について考えるには母国語に関しての理解を深めることも必要だと思います。地道な作業もあるのですが、いろいろな文献をあたっているうちに、ある日突然それまで積み上げてきた知識がつながる瞬間が出てきて面白いですよ。
 私の研究テーマは「未知語」で、知らない単語を文脈等から推測する方法について考えるというものです。分からないことがあってもすぐ調べるのではなく、自分の頭で考えることが大事だと思いますので、これからもこの姿勢を大切にしていきたいと思います。