人文社会科学部研究室探訪●Part1(vol.2)


■まず、簡単な自己紹介をお願いします

 小樽生まれ、札幌・東京育ちの44才です。(同席していた学生から”エーーッ”と驚きの声)実際の年齢よりも下に見られることが多いですね(苦笑)。盛岡に来て4年になるかな。趣味は、そうですね、音楽を聴くことかな。特に、クロスオーバーとかフュージョンが好きですね。学生の頃には、バンドでドラムを叩いたりもしました。今でもこのジャンルの音楽は、よく聴いていますよ。性格は、見かけによらず?心配性かな。目標を設定して、それを目指す性分だと思っています。まだまだ途半ばの状態ですが…

■先生が、刑法を学ぶようになったのはなぜですか?

 そうですね。刑法は、できるだけ曖昧さを排除することが魅力だと思うのです。刑法は、最高は「死刑」まで含めて、人間の犯罪行為を処罰する法律ですから、曖昧さをもっとも許さない分野です。処罰される人に対してはもちろん、将来処罰される可能性のある一般市民の行動の自由を守るためにも、グレーゾーンを極力排除して、白か黒かをはっきりさせなければならない点で魅力を感じた次第です。「疑わしきは罰せず」というスローガンに象徴されるように…。僕は、先程言ったとおり、内面的に心配性なので、物事に対して本当にそうなのかなと常に思ってしまうのですね。つまり、曖昧な部分を確実にしていくプロセスは、グレーゾーンをなくすことですから、そういったことも関係しているのかなと思います。

■法学コースについて教えてください

 以前、新聞で『六法全書』を丸暗記して司法試験に合格したという記事を見たことがあるのですが、一般的には、法律といえばとにかく暗記という印象を持つようです。もちろん、結果としてそうなるのは素晴らしいことなのですが、暗記を目指していくものではありません。では、何を目指すのかということですが、社会で生ずるさまざまな問題を法律の観点から解決する力を養うことかと思います。私が担当する刑法を例に挙げれば、刑法の条文だけで、すべての犯罪行為を網羅できるかというと、実はそうではないのです。条文で、答えが得られる部分と、得られない部分があって、得られない部分のほうが圧倒的に多いのです。ですから、法律を単に暗記しただけでは、だめなんですね。あくまでも参考資料としなくてはならない。刑事ドラマなどで、「刑法○○によって、あなたを逮捕する」みたいな場面がありますが、実際は、それほど単純ではなく、その行為が、処罰に至るまでには、ずいぶんと多くのことを考えて、見極めていかなくてはなりません。何が犯罪行為に至る要因であるか否かを、ひとつ一つ立証していくものなのです。

■講義は、どんな様子ですか

 そうですね。僕は今、犯罪論を講義していますが、それは、現行の法律の中でどういう行為が犯罪となり、どう処罰するのか、また「犯罪である」と「犯罪ではない」ことの違いは、何なのかという講義です。具体的な事例を題材にして、学生同士で議論をしたり、たとえば因果関係や故意の有無、正当防衛の成否を考えたりしています。議論などと言うと、”ケンケンガクガク”な様子を想像するかもしれませんが、本音で語り合えるというのは、とてもいいことだと思っていますし、割と”和気あいあい”とした感じなんですよ。

■学生インタビュー

― O君 ―

 はじめて「あぁ、これが大学の勉強なのだ」と感じたのが、内田先生の講義でした。あらかじめ用意した答えの勉強じゃなくて、深く理解することの大切さや、正しいとされていることに、本当にそうなのかなと、いったん疑問を持つ重要性を知ったのは、僕にとって本当に大きいです。実社会では、むしろそういった見方が大事だと思うし。先生は、なにより本音で話してくれるのがうれしいですね。

― I君 ―

 内田先生は、兄貴的存在です。フレンドリーかつフランクな感じなので、とても話しやすく、一緒にいても楽しいです。刑法の講義では、身近な具体例を出して、とてもわかりやすく教えてくれます。スルスルと頭に入ってくるので、僕の中ではいちばん楽しい授業ですね。

■大学生活についてアドバイスをお願いします

 大学に入学したら、いろいろとやってみたいことがあると思いますけど、とにかく本は読んで欲しいですね。岩大の図書館には、いっぱい本がありますので、まずは、図書館と友達になってください。このことは、人社に限らず学生全般に言えることなのですけれど、これは必ず役に立ちます。そして多くの友達と語り合って欲しいですね。それから、いい友人を見つけて欲しいです。これは、自分の財産になるはずですから。

■ズバリ!ひと言。学生にとって大学とはどんな存在ですか?

 「勉強から学問に移るファースト・ステップ」でしょうか。

趣味とは言えないけれど、酒も好きです。気の合う仲間と、酒を酌み交わすのは最高ですね。 法学の先生は、私も含めて、オフの時は大らかな人が多いんです。常日頃、あーでもない、こーでもないと考えている反動なのかな(笑) 物事を鵜呑みにしないと、たえず疑問がわいてきます。そこから学ぶことの本質が見えてくると思いますよ。 因果関係の有無ひとつをとっても、考えうるあらゆることについて議論していくんですね。AがXを産まなければXはBを殺すことはなかったであろう…などと。 私自身も大学でいい友人に恵まれたと思いますね。いまでは飲み仲間という気もしますけど、心のよりどころの一つですよ


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