人文社会科学部研究室探訪●Part1(vol.3)


■先生の自己紹介をお願いいたします。

 僕は、もともと物理学を専門にしていて、そういうところから、情報科学やコンピュータの方面に進んだのですね。コンピュータは、現代において必要不可欠なものではあるけれど、そっちからだけのモノの見方だと狭くなるので、学生にも、偏った見方ではなくて広い視野を身につけてほしいと思っています…… あれ?いきなりこんな硬い話をするのじゃなかったかしら(笑) どうもいけないですね。

■では、先生の趣味の話からお聞きしたいと思います。

 基本的には本を読むことかな…… いや、たぶん僕の趣味は仕事ですね。仕事をしている時は基本的にはとても楽しい。どうも硬いな……(苦笑)。あっ そーだ!いまロボットが面白いです!何体か飼っています。僕は、ロボットそのものを研究しているわけではないのですけれど、ここ10年くらいの間にロボットの在り方が、飛躍的に変わってくると思っています。ロボットがそこに存在することによって、人間同士も新しい形でコミュニケーションがとれるようになるのかなと。そして、わたしたちのロボットに対する意識も変わっていく気がするのです。

■先生は、どのような興味をもたれているのですか。

 僕が昔から興味を持ってきたことには、大きく分けて2つの方向性があります。 一つは生命情報の分析。わたしたちは、生活する上でいろいろな「情報」を発信しています。例えば、典型的には言語がそうです。脳細胞の興奮パターンもそうだといえる。そうした生命情報に、生命性や意味といったものがどのような形で反映しているのかを探求することに興味をもっています。 もう一つは、やはり生命と関係するのですが、生き物みたいなものをコンピュータでシミュレーションできるのだろうか、という問題。一見SF的に聞こえるかもしれないですが、こういう問題をまじめに研究する分野があるのです。こうした問題を科学的に分析していくことは大変興味深いことなのですね。

■なるほど。人間情報科学コースでどういったことを学ぶのですか。

 人間情報科学コースの特徴は、哲学や応用倫理学、言語学といった、いわゆる人文系の分野と、情報科学という理系的な要素を含んだ分野をともに学べる点にあります。両分野は一見かけ離れているように見えますが、様々な点で関連しあっているのです。そして、もうひとつの特徴は、メンバーが(学生も教員も)とても変わっている(笑)、いや個性的であることだと思います。みんな、おそろしく元気ですよ。

■講義の雰囲気はいかがですか。

 大学では、知識を吸収することももちろん大切ですが、考える問題を見つけたり、それを実際に考えるための方法を身につけたり、というように、学ぶプロセスについて学ぶことがとても重要です。そしてさらに、それを生きるのに活かすことを学ぶのも。たぶんそのあたりが、大学ならではのことではないでしょうか?このことを意識して、講義やゼミでは、いろいろなやりかたを試しています。うまくいくこともあるし、ときにはうまくいかないこともある(笑)。 自分で言うのもなんですけど、僕ってひとあたりよいほうだと思うのです(笑)。まぁそれは、学生に聞いてみてください。

■学生コメント

― Aさん ―

 五味先生の講義は、わかりやすい資料を用意してくれますし、大変理解しやすい授業ですね。ただゼミの方は、ときどきグダグダと(笑)……えーと、収拾がつかなくなるときもあるのですけど(笑)。基本的に、学生に課題をポーンと投げかけて、わからないことがあれば補佐しますよという感じなので、人情(人間情報科学の略)の授業は、最初はちょっと戸惑いましたけど、いまでは、とってもよいと思っています。

― Kさん ―

 五味先生は、知らない人からは近寄りがたい印象かも。( さっき先生は、ひとあたりいいと思うって言っていましたよ )えっ?なんかとっても若く見えて、お洒落だし、うっかりすると学生に間違えそうで(笑)。先生っぽくないのですね。あっ!でも、親身になって相談にのってくれますし、すごく頼りになる先生です。本当は(笑)。部屋のドアを開けていてくれるので、いるか、いないかすぐわかりますし(笑)

■先生は、デザインについても研究していると聞きましたが……。

 情報デザインという分野があるのです。なかでもここ数年興味を持っているのは、IT環境のめざましい発展を活かして、これまでには存在しなかった「コミュニケーションの場」を作り出すことです。ブログやソーシャルワーキングサービスなどが非常に流行ってきていますが、これらも我々のコミュニケーションのあり方に大きな影響を及ぼすものですね。実空間とネット空間、両方の空間によって我々のコミュニケーションに厚みがもたらされます。そこが面白い。

■ズバリ!ひと言。大学とは何ですか?

 困ったな。ひと言では言い表せないですね。あえて言えば「心の深まりと広がりをひとまわり大きくするための場所」かな。

ロボットについては、いつか本格的に研究してみようと思っています。 生命現象と情報やコンピュータってとても深い関係にあるのです。 大学では、知識の吸収だけでなく、学び方や生きる力を身につけるのが重要。 こうしたやりとりができるのも、五味先生の人柄から。 学生さんにはとにかく大学を存分楽しんでもらいたいと思っています。


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