人文社会科学部研究室探訪●Part2(vol.2)page1

Profile
TAKEMURA SACHIKO
中央大学 大学院 文学研究科 社会学専攻 博士課程後期 1988年単位取得退学 文学修士

■先生の専門である家族社会学と社会学とはどのような関係にあるのですか?


社会学は学問分野であると同時に、学問を深める手法でもあって、10人の社会学者がいると10通りの手法があると言われます。

 えっと〜社会学というのは、社会学という学問分野であると同時に、手法みたいなところがあるんです。10人の社会学者がいると10通りの手法があると言われます。経済学や法学は同じ社会科学でも体系がある学問だけれど、社会学には経済学のような体系は無いんですね。
 社会学には、産業社会学、地域社会学、経済社会学など、何を対象に学問するかによって、タイトルが変わってきます。家族社会学は、その意味で家族を対象としているわけですね。ただ、社会学で何でもやっていいかというと、そうではなくて、共通の理論として社会学理論というものがあって、社会をみるときにどのような共通の切り口があるかを論じています。原理的な部分を研究する場合は理論社会学を学ぶわけです。
 社会学の対象となるテーマ分類を連字付といいますが、その分類には、産業、地域、家族、民族、歴史、ジェンダーなど30くらいの分類があります。

■社会学は、どんな高校生に向いているとお考えですか?


岩手大学では、社会学と心理学とを良いバランスを保ちながら学ぶことができます。それが大きな特長ともなっています。

 う〜ん、そこがとても重要ですよね。高校生の教科書だと、倫理社会、公民、地理(人文地理)にも社会学がテーマとする内容が含まれています。その中で、「人間の関係性を中心として、その内容に何か疑問をもった人」には社会学は向いていると言えます。例えば、自分の悩みがあったときに、他の人はどう思っているのか考え、調べたら実はみんな同じ悩みを持っているじゃないかと知ることができる。心理学のように思うかもしれませんが、実は社会学をやらないとそれはわからないんです。
 他者との関わりの中で、人間関係を掘り下げ、社会と比べてどうなのと考えたい人には向いているでしょうね。岩手大学では、社会学と心理学とを良いバランスを保ちながら学ぶことができます。それが大きな特長ともなっています。

■行動科学という言葉・発想は新しいものですか?

 心理学と社会学の両面から人間の行動を「個人的側面」と「社会的側面」から理解するための方法を学ぶ学問を「行動科学」と言っています。1960年代ころから行動科学という言葉がよく使われるようになったのですが、「人類学」「心理学」「社会学」を行動科学の3姉妹と言います。なぜ姉妹なんでしょうかね?不思議ですけど(笑い)
 社会間比較によって人間関係をみる(人類学)、人間の内の問題に着目して人間をみる(心理学)、人間の関係性をみる(社会学)というふうに分かれて研究が行われる学問と考えて下さい。

■人間科学課程のコース選択について教えて下さい。

 ここは心理学を目指して入る学生が多いのですが、必修で社会系のことも履修することになっています、嫌でもやるから必修です(笑い)。家族社会学の授業そのものは選択ですね。3年生から専門のコースを選択しますが、それまでは人間情報と行動科学のどちらも学ぶことになります。行動科学コースを選択するにしても、2年生で先に、社会調査実習といって社会学の実習をやってから、心理学の基礎実験に臨みます。
 人間科学課程は、人間情報科学コースと行動科学コースとに分かれていますが、専門コースに分かれるのは、3年生からで、それまでは、人間情報科学の授業も受けられますし、行動科学の授業も受けられます。