人文社会科学部研究室探訪●Part2(vol.5)page1

Profile
KOBAYASHI YOKO: トロント大学大学院第二言語教育学博士課程修了(Second Language Education Ph.D. Program, Department of Curriculum, Teaching and Learning, OISE/UT)

■学生時代は、どんなことに興味をもって学んでいましたか?


大学では応用言語学に興味があってもっと学びたいと思いました。

 え〜と、どこからお話すればいいのか・・・一貫して変わらないのはですね、日本の外の様子に興味があったということです。
 誤解されることが多いのですが、特にアメリカに興味があったということではなくて、どこでもいいということでもないんですけど(笑い)、日本の外の世界を知りたいということが最初にありました。
 次第に応用言語学(当時は主に社会言語学)に興味を持つようになりました。応用言語学というのは、そうですね・・・、例えばその中の第二言語教育学では、外国語をどう教えたらいいのか、どう学習すると一番効果があるのか、など認知的な分野も含めて学びます。ややこしいですが、異文化コミュニケーション研究もその応用言語学の一領域です。英語だけは、自分でもどれくらいのびるかやってみようと大学入学当初から取り組みました。一日最低3時間は英語学習の時間にあてていましたね。(すごいですね!)
 そんなことないですよ。留学したいという気持ちがあったので、目的をもって意識的にやっていました。

■カナダ・トロントへ留学されていますが、なぜトロントですか?


留学したいと思った動機は、自分の進むべき道を見極めたいと思ったからでした。

 いよいよ具体的に留学を考えていた大学院の時に、関心があったのが言語政策と動機づけという分野なのですが、その分野の研究ではカナダが最も盛んだったのです。カナダは英語圏とフランス語圏とがあって、多言語社会としての研究が国をあげて盛んに行われていました。特に、トロント大学に著名な先生が集まっていましたし、博士課程のプログラムも充実していました。それに、都会がいいなという気持ちもかなりあったかな(笑い)。

■先生には英語脳があると学生から聞きましたが、先生の流暢な英語はどのようにして習得されたのでしょうか。


私の専門分野では、世界に出るのだという気負いもないくらい世界的交流があたりまえになっていますね。

 よくある質問ですね(笑い)。それを自分なりに答えようとするのですが、深く自分を分析したことが無いのでうまく説明できないのが本当かな、ゴメンナサイ。ただ、留学前の段階から、英語をしゃべっているとき、日本語も英語も文としてド〜ンと頭に浮かんでこなくなるようにはなっていました。アレ?、これって上達しているのかな、と。でも実はしばらくするまで、この傾向にも気づかなかったのですけど(笑い)。
 留学して寮生活では当然日常会話が英語ですから、友達と話す中で知らないうちに学生が言うところの「英語脳」になっていったのかもしれません。秘訣はといえばまさにコミュニケーションする体験そのものではないでしょうか。日本では外国語を使う必要性は弱いですが、私の授業ではその環境を作るようにしています。国際交流センターの尾中先生もすごいですよ(次ページ参照)。

■英米言語文化パートの特長を教えて下さい


このパートの最大の特長は、3つの領域内の授業を自由に受講できることです。

英米言語文化パートは、大きく3つの領域に分かれています。

(1)言語学領域(言語習得研究を含む)
(2)英米文学領域 (アメリカ文化研究を含む)
(3)コミュニケーション領域(異文化コミュニケーション研究を含む)

 長所はこの3つの領域内の授業(複数開講)を自由に受講できることです。受講のための条件などは一切設けていません。それは長所であり課題でもあるのですが。
 多くの学生は、自分の専門領域をなかなか見極めきれず、教養・入門レベルのままで卒業論文執筆という時期になってしまいます。大学での4年という時間はけっして長くない。時間はあっという間に過ぎていきます。ただ、最初の段階から自分の興味のある領域を見極めている学生は、その領域内で授業をとり続け、本人が自覚できる上達・成長をしています。