人文社会科学部研究室探訪●Part4(vol.1)page1

研究室探訪 vol.01
「単一的な視点だけでなく新たな気づきを持つことを伝えています」 教授 浅沼 道成
人間科学課程(行動科学コース担当)【芸術・スポーツ学】

Profile
ASANUMA Michinari
筑波大学体育専門学群体育社会学(1983年) 筑波大学体育科学研究科博士課程スポーツ社会学(1988年) 教育学修士


人間科学課程にある二つのコース、人間情報科学コースと行動科学コースはそれぞれどのような認識で捉えると良いのでしょう。


文系の課程にスポーツという分野で入りこんでいるのは、ユニークな所だと思います

 人間情報科学には哲学・論理学や情報関係の先生方がいらっしゃって「人間学」「情報科学」の面から、広く人間の存在に関して探ります。一方、行動科学は、基本的に心理学・社会学ですね。心理とは身体・心の中、それに対し社会というのは外。両方を学びながら、最終的に広く心理と社会的な見方を身につけます。あらためて話すとなんだか難しいね(笑い)。

人文社会科学部はどのコースも、広範囲にわたる対象が魅力ですが、スポーツの専門家である先生がいらっしゃるということで、ますますその思いを強く感じます。


スポーツには楽しむだけでなく、ビジネスや自己実現などさまざまな側面があることを認識してほしい

 それには、教養部が学部化したという成り立ちも関係しています。岩手大学の人社ができたのは昭和52年。広島大学に続いて全国で2番目のことでした。私は、体育系の先生方が関われるコースを作るということでこちらに来まして、社会科学的な意味合いからコース化を目指したんです。もともとはスポーツ社会学をやったので、こういう文系の課程にスポーツという分野から関わっている。ユニークなところだと思います。

多くのスポーツ系の学会・団体に携わっておられますが、中でもテニス界とは繋がりが深いですね。先生とテニスの出会いは?


お金の流れや運営方法、教科書の理論だけでない現場と併せた講義を行っています

 高校時代、たまたま友達とテニス部に入ったのが始まりです。高校ではインターハイにも出場しましたし県大会で優勝することもできて、進学の際もう少しテニスを極めたい、本音を言うとプロになりたいと考えるようになりました。そこで、当時国立で一番強かった筑波大学を選んだんです。全国から選手が集まる中、最初は井の中の蛙でまったくダメだったんですが、2年生あたりから勝てるようになり面白みが見えてきました。ただし競技者であると同時に、勉強も嫌いではなかったので、社会学という分野・研究室に所属して部活と両立させて、そこでスポーツ社会学の世界に入ることとなりました。テニス部の監督に「お前は将来、人に教えていく立場になる」ということを見越して接していただいたりして、そこで指導・研究の道を選んだんですね。
 卒業後、鹿屋体育大学で教えました。そこではテニス部の監督をして日本一を目指せ、ということ言われまして。四年半しかいませんでしたが、幸い国内ではトップの位置に行くことができました。また、大学では同時に社会体育の指導者養成の面もあり、そちらにも関わっていたんです。

競技の現場で日本一を目指しながら研究面も携われていた。

 ちょっと珍しいんですが、両方に関わってしまったんですね。これが現在のスポーツに対して新たな方向を探るという視点や、テニス協会との関わりでテニスを強化するという役割へ繋がっていると思います。研究対象が、競技としてトップを目指すのではなく、スポーツを通した町づくりといった方向にシフトして行き、今に至るわけです。