人文社会科学部研究室探訪●Part5(vol.3)page2

研究室探訪 vol.03
フランス文学・語学の研究だけでなくより広範な文化を学ぶことができる広く世界を知りたい方に最適なコース 教授 横井 雅明
国際文化課程(欧米言語文化コース担当)【人文科学】

Profile
YOKOI Masaaki
愛知大学法経学部経済学科(1984年)、名古屋大学大学院文学研究科言語学(1987年)、名古屋大学大学院文学研究科言語学(1989年)、文学修士


留学先で学ばれたことを教えてください

 学生時代に留学経験はなく、社会人になってから初めて海外に行きました。就職3年目のころですが、フランス中央部にあるヴィシーという街で行われたフランス語教授法の研修プログラムに参加したんです。ただ、欧米のフランス語学習者と日本のフランス語学習者では、気質面などでかなり異なりますよね。欧米人は多少ブロークンでも積極的に発言したり、授業にもどんどん参加しますが、日本人は皆黙って消極的になる。ですから、そこで習得した教授法がそのまま日本で使えるわけではありませんが、授業にゲーム的な要素を取り入れたり、授業に向かう教員としての心構えなどを学べたという点で、よかったなと思います。

人文社会科学部の授業の中で、横井先生は実際にどのようなことを教えられていますか


オムニバス形式の「国際文化入門」という科目では、「星の王子さまの恋愛論」と題し、「星の王子さま」の読みの可能性を紹介しています

 「専門科目と全学共通教育科目の2種類に分かれているのですが、専門科目としては「フランス語構造論」やフランス語のコミュニケーション系科目になります。「フランス語構造論」は、1時間を3つのパートに分けて行っています。1つ目は、言語学の基本的概念をフランス語で書かれたテキストを講読しながら解説していくというもの。ソシュールの言語理論を解説したり、フランス語における動詞の時制の用法を考察したり、やや難解ですが、ギヨームの著書を扱うこともあります。2つ目は、フランス語中級文法を説明し、練習問題で定着を図るというもの。そして、3つ目は発音矯正です。ビデオ教材を用いて、正確なフランス語の発音を習得してもらいます。またコミュニケーション系科目では、日常会話の練習やテキストの講読により、聞く力・話す力・読む力の向上を図っています。一方、全学共通教育科目では、「初級フランス語」「中級フランス語」を担当しています。「初級フランス語」では、隣同士でフランス語で簡単なやりとりをするなど、とにかくフランス語に慣れてもらうことを大切にしています。この授業は比較的好評で、講義を聞き、テキストに書かれている例文を反復するだけの授業と違い、学生は退屈せずに取り組んでいるようです。「中級フランス語」では、さらに進んだ会話練習と、サン=テグジュペリの「星の王子さま」の一部を講読形式で読んでもらっています。

学生たちの理解を深めるため、心がけていらっしゃる指導方法を教えてください

 これはいまだに模索中の難しい問題ですが、授業中に心がけているのは、極力学生の近くを回り、質問しやすい環境を作ることです。初級文法ではやはり文法的な説明の中で疑問点が出てくる場合が多いですが、最近では私自身想定しないような質問をされることが多々あります。そうした意表をついた質問や重要だと思う質問については、翌週の授業のときに全員に説明をするようにしています。また専門の授業では、できる限り簡単な言葉に置き換えて説明するよう気をつけていますね。

これから欧米言語文化コースを目指そうという学生や高校生にアドバイスをお願い致します


1年次前期にフランス語を受講した学生のほとんどが、後期の「中級フランス語」も続けて受講しています

 国際文化課程の欧米言語文化コースと聞くと、英語が得意な人のためのコースだと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。現代では「外国語=(イコール)英語」といったイメージを持っている人が多いようですが、実際、世界にはたくさんの言語が存在します。1年生に「初級フランス語」を教えていると、「英語は苦手だったけど、フランス語は楽しくて好きになった」という学生によく会います。さらに、他の課程から国際文化課程フランス言語文化コースに転課程してきたケースもいくつかあります。ですから、大学に入ったらぜひ英語以外の外国語にチャレンジしてみてください。英語以外の外国語を知ることで、世界を見る目が広がり、思わぬ収穫があるかもしれません。また、文学作品を読むのが苦手だからといって敬遠することはありません。広く世界を知りたいという方にはうってつけのコースだと思いますので、欧米の文化や言葉に少しでも興味があるという方は、ぜひいらしてください。

<学生のコメント>

○1年生のときにフランス語を選択し、その面白さにもっと深く学びたいと思いました。最初は分からないことだらけでしたが、先生が私たち学生のペースに合わせて無理のない授業をしてくださるので、勉強するのがどんどん楽しくなりました。やはり予習・復習は欠かせませんが、フランス語自体を楽しむ気持ちが大切だと思います。
○岩手大学では毎年2回、横井先生を中心に「フランス祭」というイベントを開催しています。先生や留学生から、料理やファッションなどフランスの文化についてお話を聞くことができる、とても楽しいイベントです。後半にはワインや料理などの持ち寄りパーティーとなっていて、先生をはじめ、先輩や留学生と食べたり飲んだり楽しく触れ合える良い機会だと思っています。
○もうすぐ卒業論文に取り組む時期です。私はジェンダーについて研究したいと思っており、現在は日本とフランスの違いについて深く学んでいます。例えば、日本とフランスでは結婚観や子育て支援が大きく異なっており、フランスでは国をあげて取り組むなどとても発展しています。日本がどこまで追いつけるかについても探っていきたいと思います。