人文社会科学部研究室探訪●Part6(vol.1)page2

研究室探訪 vol.03
フランス文学・語学の研究だけでなくより広範な文化を学ぶことができる広く世界を知りたい方に最適なコース 教授 横井 雅明
国際文化課程(欧米言語文化コース担当)【人文科学】

Profile
FUJIMOTO Koji
一橋大学法学部(1997年)、一橋大学法学部法学研究科(2002年)、修士(法学)、博士(法学)


法学を学ぶ上で学生に必要な心構えはありますか


物事を論理的に説明できることが“法律を使える”という意味

 心がけてほしいのは、法学で一番大事なのは“論理性を持つ”ということです。例えばある物事があって、それをこういうふうにして解決しましたという時に、自分ではその解決が正しいと思っていたとしても、それをきちんと人に説明できないといけないんですよね。法学の場合、その説明のための元になるものが法律ですが、その法律がどうあろうと、それをこの事件にこういうふうにして使ったらこういう結論になるということをきっちり説明できるようになるというのが、法律を学び、使えるようになるということの意味です。だから、学生たちには物事を論理的に、そして結論にたどり着くまでの過程をきっちりと話すことを常に意識してほしいと思っています。逆に言うと、わたしたち教員が授業で説明する上でも、論理的に話しているはずなんです。だからそこのところをしっかりと追いかけてきてほしい。仮に教員が話したことがわからなかった時には、ここがわからないと言ってもらえればいいので、学生たちには、常に“論理を追う”ということを意識してほしいなと。

反対に、先生が講義の中で心がけている指導方法はありますか


論理的な話し方ができるようになるには、文章を書く機会を増やすことも肝心です

 学生に論理を追ってほしいので、自分ができるだけ論理的に話すように意識しています。ただ、こないだ大失敗したことがあって、Aについての話とBについての話があって、この2つは分けなきゃいけないよと話しているのに私自身が間違えてごっちゃになって説明してしまったことがありました(笑)。だからそういうことがないように、学生たちが私の言っている論理をきっちり追いかけてくることができるように論理的に話すことを意識しています。あと、論理の話でいうと私が論理的に説明した話を学生が聞いて、「あ、なるほどね」と思ってくれるところはあると思うのですが、では、この「なるほどね」というのが本当に論理を追った上で理解できているのかがわからないんですよね。スタートがこれで、ゴールがこれで、それはわかった。じゃあ、そうなるまでの過程をもう1回説明してごらんと問いかけると、それはできないということも結構多い。だから本当に理解したか、ちゃんと論理を追うことができたのかを確認することが必要になってくるので、理解できたと思ったらそれを説明してみるという“アウトプット(吸収したことを表に出すこと)”をすることが大切ですね。学生たちには、わからないことはその都度聞くようにと伝えていますし、理解したものをアウトプットしてもらうことを意識しています。というのは、そもそも学生たちは自分が論理的な話し方ができているかどうか、たぶんそれができている人もそうでない人もわかっていないと思うんですね。だから学生たちからレポートを出してもらう時に、それを採点するだけではなくしっかりと読んでできるだけコメントを付けて返すようにしています。そういうところをきっかけにして、論理的な話し方ができているかどうか気付いてもらえるように努めています。

これから社会へと出て行く学生たちに望むのはどんなことですか

 例えば裁判のやり方の話など、法学や経済学から学んだ内容がそのままぴったりと役に立つ場面というのは、弁護士などにならない限りほとんどないと思うんです。社会に出ても大学で学んだことがそのまま使えると思っていたらそれは大間違いです。だから何が大事になってくるかというと、論理を追う力、物事を論理的に説明できる力、そしてそれを文章に書く力というのが生かされるべきだと思います。この大学の法学・経済課程を修了した学生たちについては、社会からもそれが期待されているのだと思います。であるからこそ、そういう場面で自分の力を十分に発揮してもらいたいなと思います。何か新しいことを始める時でも、「なぜこれをやらなければならないのか」とか、「こういうふうにしたらいいのではないか」ということを論理的に説明する必要が生じる場面というのは、どんな仕事でも絶対にあると思うんですよね。そういう場面で、自分が得たスキルや力を発揮してほしいなと思います。

これから法学コースを目指そうという高校生や学生の皆さんにアドバイスをお願い致します


何かに興味や関心を抱くことが最初のスタートになる。そのようなものが与えられるようにと考えながら学生たちに接しています

 法学や経済学というものは、とにかく世の中の動きに密着したものですので、世の中にあるたくさんのことにできるだけ広く関心を持ってもらいたいと思います。さまざまな事件や問題もそうですが、身近に起きること、新聞沙汰になるような大きなニュース、そういうたくさんのことに関心を持ってほしいです。それが大学で学ぶ際に、興味関心を持ったものに対して自分の力を生かして行くという方向性にもつながると思いますので。皆さん毎日勉強などで大変だと思いますが、それだけで終わらずにさまざまなことに興味関心を持つようにしていてほしいですね。  そして、友人とテレビや新聞で見たり聞いたりしたことについて話すなど、そういった経験も必要かと思います。わからなくてもいいから、「これどうなんだろうね」と話したりして、まずは興味関心を持つことが大事ですし、それを少しでもいいので深めていけるといいですね。普段の何気ない会話だけでなく、少し真面目な話もできるような、そういう友人を見つけてもらえるとすごくいいなと思いますね。

<学生のコメント>

○法学と経済学はすごく密接なつながりがあると思うのですが、今、社会が高度化している中で、人と人との間に存在するルールや経済の発展などをどのように考えていかなければならないかを学ぶ上で、法律と経済を総合的に勉強できる課程というのはとても魅力があると思います。
 藤本先生は、とても親しみやすい先生ですし講義がすごくわかりやすいです。説明が上手なので、講義を受けている側として「何が問題点で、何が課題とされているのか」をまず考えた上でさらに自分の考えを膨らませていくことができます。将来的には、法律関係の仕事に就いて、実際に社会の問題を解決したり取り組んだりするような仕事につなげていきたいと思っています。
○藤本先生は、学生の側の「なんで?」と考えることを引き出してくれるのが上手だと思います。提出したレポートに書かれていた先生からのコメントを読んで泣きたくなったこともあります。すごく細かなところまで見ているので、確かになと思う点もあり、ここまでは突っ込まないでほしかったなと思ったり(笑)。
 法学・経済課程は、先生たちが学生の疑問に全力で応えてくれるすごい課程です。学生との距離もすごく近くてあたたかくて。藤本先生はその中でも特に学生との距離が近いなと感じます。
 私は、初めは社会のためにとかそういう理想があったのですが、今ではそんなに大きなことではなく、例えば友人や近所の人が困った時に少しでも助言してあげられるような、そんな身近な存在になれたらと思っています。