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環境経済論研究室(ゼミ)への所属を希望する学生の皆さんへ

環境経済学の基本的な考え方

     

環境問題の解決には人々の意識改革が必要だと言われます。実際、「ごみはできる限り減らしましょう」「自動車は控えて公共交通機関を利用しましょう」あるいは「ごみのポイ捨てはいけません」といった、人々の環境意識を啓発させるさまざまな言葉が世の中にはあふれています。しかし、こうした意識啓発の効果はどの程度のものなのでしょうか。人々の環境への関心がそれなりに高くなっているとはいえ、おそらく環境意識の非常に高い一部の人を除いては、そうした環境配慮が重要だということは認識していても、実際の日々の行動にはなかなか結びつかないのが現状ではないでしょうか。

学生の皆さんはこれまでレポートの最後を「・・・するためには、人々の意識改革が求められる」というような文で締めくくることが多くありませんでしたか?しかし、より重要な問題は「人々の意識をどのようにしたら変えられるか」ということです。これには様々な方法が考えられます。法律などの規制をつくり、罰則を設けて取り締まることも1つの方法でしょうし、幼い頃から環境学習を行い、環境に関する規範を身につけさせることも1つの方法でしょう。環境経済学ではこの問題を以下のように考えます。

環境経済学では、環境に配慮する行動が経済的な得につながる(あるいは逆に、環境悪化につながる行動が経済的な損になる)ような方法を考え、それを経済のしくみに組み込むことで、環境配慮型の社会になるような方法を考えます。ここでのポイントは、個人あるいは個々の企業の行動が環境配慮型になるようなインセンティブ(動機付け)を与えることです。例えば、ごみをたくさん出す人にはその量に応じた費用負担をしてもらうことによって、人々はごみの出す量を少しでも抑えようとし、社会全体としてのごみの量も減ることが期待されます。いわゆる「ごみ処理の有料化」です。

こうした考え方の背景には、環境経済学の以下のような考え方も関わってきます。これまで環境が破壊されてきたのは、環境が経済的に価値がなく、無限に利用できるものとして捉えられてきたことがその一因にあると考えられます。実際には、環境には様々な機能があり、私たちが生命体として生きていく上で不可欠であるだけでなく、私たちの社会経済の重要な基盤となっています。環境経済学は、そうしたこれまでほとんど評価されてこなかった環境の価値を社会的な意味で評価することの重要性を主張します。そして、環境を汚染したり破壊したりすれば社会的な費用が発生し、逆に保全すれば何らかの社会的な便益が発生すると考えます。こうした社会的な費用や便益をその原因者に何らかの形で負担させたり、あるいは享受させたりすることによって、先述のような社会全体として環境配慮に向かうようなしくみを考えるのです。

環境経済論研究室では、このような経済学的視点から環境問題について考えます。環境問題は人間社会と自然環境の間で起こる問題であり、多くの環境問題が経済の問題と密接に関係しています。そうした中で、環境と経済をバランスさせながら、より豊かな社会を築いていくためには、どのような考え方が必要か、あるいはどのような方法があるのかを学びます。環境経済学を学ぶ上で、自然環境や環境問題への強い関心・情熱を持っていることも重要ですが、環境と経済で起こっている様々な現象を冷静に捉えることのできる論理的な思考も強く求められます。(これは環境経済学に限ったことではないかもしれません。)

ゼミの進め方

ゼミは週1回、3年生と4年生合同で行っています。3年次はじめから中頃にかけては、環境経済学に関する基礎的なテキストを輪読します。平行して4年生の卒業研究(特別研究)の発表も随時行います。あらかじめ報告者を決め、テキストの内容を発表してもらいます。テキストは参加者と相談し選択します。そして、その報告内容に基づき参加者間で議論を行います。報告者が決められた分担をきちんとこなすことは当然のことですが、報告者以外の参加者も積極的に質問をしたり、自らの意見を述べたりすることを強く求めます。

3年次の終わりには、4年次の卒業研究の作成に向けて、各人が関心のあるテーマを決め、その発表を行ってもらいます。先述のように、多くの環境問題が経済の問題と密接に関係しているので、卒業研究のテーマも様々なものが考えられます。どのようなテーマを選択し、どのようなアプローチで研究するかを考えるのも、ゼミでの重要な作業の1つです。(ゼミ実施概要に、各年度に使用したテキストと、当研究室の所属ゼミ生が取り組んだ(あるいは現在取り組んでいる)卒業研究テーマを挙げますので、ご参考ください。)

2006年度からは年に1回、他大学の環境経済論ゼミとの合同ゼミ合宿を行っています。(詳細はゼミ実施概要をご参考ください。)また2014年度からは、社会問題への関心向上とプレゼン技術の向上のために、3分プレゼン(レジュメ等配付資料なしで、社会・経済的な問題や環境問題について3分間で発表する)も随時行っています。

ゼミ履修にあたっての留意点

・2年次までに必ず「環境経済論I」と「環境経済論II」を受講して下さい。ゼミへの所属希望者が多く、人数調整の必要が生じた場合、これらの科目の履修状況(成績)が選抜条件の1つとなります。

・特別な理由がない限り、3年次前期に「環境経済論特講」(例年外書講読をしています)を履修してもらいます。

・決められた分担や課題をきちんとこなし、ゼミでの議論や行事に積極的に関わることのできる人を希望します。

ゼミ卒業生の進路

・主な就職先・進学先は以下のとおりです。(今年度内定先を含む。)*は複数名の就職先であることを示す。

官公庁・独立行政法人

東北財務局、仙台国税局、岩手労働局、岩手県庁*、宮城県庁*、神奈川県庁、三重県庁、仙台市役所*、盛岡市役所*、北上市役所、弘前大学

民間

七十七銀行、北日本銀行、盛岡信用金庫、東北労金、全労済、東北電力、JTB東北*、JR東日本*、静岡新聞社、積水ハウス、東北ヒロセ電機、トーワエレックス、扶桑建設工業、吉田産業、セブン-イレブン・ジャパン

大学院進学

岩手大学大学院教育学研究科

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