岩手大学 人文社会科学部 人間文化課程

ヨーロッパ語圏文化プログラム フランス言語文化専攻

ボルドー留学体験記

舘 美有

 私は2017年9月から4ヶ月間ボルドーに交換留学をさせていただきました。まず、授業が始まる前にクラス分けのテストがありました。長文読解、リスニング、エッセイの結果によってクラス分けが行われるのですが、私が最初配置されたクラスは私にとってレベルが高く、周りの人達も数年フランスに住んでいた人やすでに前学期にDEFLEに通っていてフランス語に慣れている人が多く、授業の内容も一番最初の授業から軽い討論が行われ、聞き取ることも話すことも全くできず悩んでいました。最初の1週間授業を受けてみても、自分にはレベルが合っていないと思い、担当の先生のところに相談しに行きました。その方に理由を話し、先生方の全体会議を通して、一個レベルを落としたクラスに移ることができました。最初の2週間は最初のクラスで必ず授業を受けなければいけないので、もしレベルが合わないと感じたら、その間にじっくり考えてレベルを下げることもできます。新しいクラスに配置されてからは、より自分にあった環境でフランス語を勉強できるようになりました。フランス語自体だけでなく、選択の授業であった観光やフランスの歴史、フランスの学校や選挙の仕組みなど幅広く学ぶことができました。私のクラスは、毎回の授業で違うクラスメートと先生で、メンバーが固定されてなかったため、いろいろな人と関わる機会があり、様々なフランス語を聞くことができました。特にクラスメートは様々な国籍の人がいるので、その国々の母語の影響で発音がそれぞれ違っていて、最初は聞き取るのが大変でしたがそういった違いも楽しかったです。

 放課後や授業の間には、ボルドーの街を散策したり、クラスメートや日本語学科のフランス人とおしゃべりやフランス語を教えてもらうなどして楽しく過ごしていました。ボルドーの中心地に行くトラムの中やカフェやレストランなど、フランス人同士の平凡な会話を聞いてるだけでもリスニングの練習や会話のフレーズを学ぶことができました。こういった何気ない日常の瞬間にも学ぶ材料がたくさんあることが留学の醍醐味だなと感じました。ボルドー大学には文化や言語の交換を通して日本人と交流したいフランス人が多いので、日本語学科の授業にボランティアに行ったり、一緒に勉強したりなどして関わりを持った方が良いと思います。また、フランス語を通して違う国籍の友達もたくさんでき、彼らと過ごしたことでその国の印象やイメージが変わり、テレビやニュースなどで見えている部分だけが全てではないと改めて思いました。さらに、現地でお店を経営している人、日本語を教えている人、本場の技術を学びに来てる人、そのような日本人達との出会いもありとても刺激を受けました。

 また、私はバカンスや土日を利用して国内や国外に旅行に行きましたが、国によってチップが必要かどうかや交通機関の仕組み、物乞いの多さ、英語が通じやすいかどうかなど様々で、その違いを実際に目の当たりにすることができてとても良い経験となりました。また、人の優しさに触れる機会が多かったです。特にドイツに行った時は街や電車の中で好意的に道を教えてくれたり、たまたま入ったレストランで相席したフランス人とフランス語で会話をしてオススメのスポットを教えてくれたりとちょっとした旅でも人との出会いに恵まれました。

 個人的には、初海外で飛行機すらも乗ったことなかった私が、この4ヶ月間を通してたくさんの貴重な経験をすることができました。フランス語に関しては友達といろいろなトピックの話ができたときや旅先でのトラブルを自分で交渉して解決できたときに、成長できていると実感できました。本当に、このような機会を与えて応援してくれた方、留学を通して出会った素敵な方々にこの場で感謝いたします。ありがとうございました。そして、留学を目指している人はぜひチャレンジしてみてください。人や街の様子、社会の仕組み、よく話されている言い回しなど行ってみなければわからないことがたくさんあるはずです。