1.フロラ・データのデータベース化 |
宮城県内には国立公園1カ所,国定公園3カ所,県立自然公園7カ所があり,さらに県自然環境保全地域13カ所,緑地環境保全地域8カ所がそれぞれ指定されている。これらの指定地域の合計面積(2054.56km2)は県土の28.2%を占め,自然保護や環境保全が推進されていると共に,地形・植生・植物相・動物相などの総合的な学術調査が行われている。 本研究では,これらの地域の中から現在までに調査が行われてきた24カ所(調査地域が明瞭である指定候補地も含む)と,国指定天然記念物の東北大学理学部附属植物園の合計25カ所(図1,詳細は 表1を参照)を選び,報告書中にあるフロラ・リストを原資料とし,パソコン・ソフトを用いてデータベース化を行った。 なお,データベース化にあたり報告書の信頼性(証拠標本の存在,自生か植栽かの記述など)や報告書間での統一(調査の頻度や精度,種の認識程度,学名・分類学的ヒエラルキーなど),調査年代などに大きな問題があり,可能な限りの統合化を進めたが,既存データを用いることへの問題点として残された。したがって,今回作成したデータベースは充実したデータベース作成のための基礎資料として位置づけたい。 |