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宮沢賢治いわて学センター 第12回研究会のご報告

掲載日ニュース


名 称: 岩手大学人文社会科学部 宮沢賢治いわて学センター 第12回研究会
(旧・岩手大学宮澤賢治センター第117回定例研究会)
日 時: 2022(令和4)年1月27日(木)17:00~18:50
会 場: オンライン(Zoom Meetings使用)
講 師: 朴 鍾振 氏(韓国・延世大学校研究教授/日本文学)
演 題: 〈宮沢賢治コレクション〉──韓国における賢治絵本翻訳をめぐって──
司 会: 木村直弘(当センター副センター長)
参会者: 48名

【発表要旨】
 本発表では、〈宮沢賢治コレクション〉を中心に、韓国における宮沢賢治の翻訳状況を概観した。そして、さらに賢治という作家と作品の理解を深めるための今後の動きを展望した。
 韓国において宮沢賢治は近代詩人・童話作家として知られている。賢治の名は、1940年の映画『風の又三郎』で紹介されはじめ、1960年代の全集の時代を経て、2000年を境に翻訳・出版が爆発的に増えた。2021年までの出版はおよそ50冊(童話集、詩集、絵本など)以上を数えられる。この数字からおそらく日本近代作家の中でもっとも愛されている作家であると推測できる。最近の翻訳の傾向としては、賢治童話の絵本化が進んでいることが目立つ。韓国の絵本市場の拡大と共に、絵本を芸術ジャンルとして位置付ける動きの表れでもある。
 〈宮沢賢治コレクション〉は、韓国のヨユウダン出版社が賢治童話の絵本を翻訳・紹介する連続プロジェクトである。発表では、その1巻〜3巻の出版の過程や内容を紹介した。子どもたちが楽しく面白く読める賢治作品を選んで、すぐれた画家の絵と共に提供し続けることで、宮沢賢治という作家と作品への理解を高めている。
 韓国では、これからも賢治作品の翻訳はさらに多くなると予測できる。それと同時に賢治の伝記や評伝、研究書など、多様なテキストの出現も期待される。今後の動きにも注目していく必要がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮沢賢治いわて学センター第12回研究会チラシ

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