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宮沢賢治いわて学センター 第14回研究会のご報告

掲載日ニュース


名 称: 岩手大学人文社会科学部 宮沢賢治いわて学センター 第14回研究会
(旧・岩手大学宮澤賢治センター第119回定例研究会)
日 時: 2022(令和4)年7月28日(木)17:00~18:00
会 場: オンライン(Zoom Meetings使用)
講 師: 吉田 等明 氏(岩手大学教育学部特命教授/情報学)
演 題: 五感で楽しむ「銀河鉄道の夜」
──我々はどこから来て、どこへ行くのか?──

司 会: 木村直弘(当センター副センター長)
参会者: 78名

【発表要旨】
『賢治学+ 第2集』掲載の拙稿をふまえ、「疾中」(一九二九年二月)などの賢治詩についての解釈を紹介した後、以下のように話を進めさせていただきました。常に変化する複合体としての存在である「人間」を、五蘊とする考え方の他に,五感(認識作用)を元に考えて眼・耳・鼻・舌・身・意の6種の複合体とする考え方があります。本発表では、それらと賢治との関連について、「銀河鉄道の夜」と関連の深いプンダリーカと視覚的表現、ベートーヴェンの〈月光ソナタ〉と聴覚的表現、苹果や悟りと嗅覚的・味覚的表現とをそれぞれ関連づけて、説明しました。また、賢治が関心を持っていた「真空エネルギー」、「空」、「法(法則、普遍的真理)」は全て普遍的な真理の有力な候補です。普遍的な真理は,認識や観測の仕方によらず常に一定でなければなりません。その究極の真理こそ法であり、「銀河鉄道の旅」を「法から生まれて法に帰る旅」とするのが、本発表の趣旨です。よって前掲の多岐に渡る説明が意図していたのは、認識方法によって変わらない真理を感じ取っていただくためでした。「銀河鉄道の旅」は宇宙にある銀河戒壇上の法を目指す旅であり、同時に個人の五蘊世間を巡る旅でもあるでしょう。 銀河鉄道の旅が終わっても、大宇宙における命の営みはこれで終わりではありません。新たな希望に満ちた、力強い始まりであることを祈念しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮沢賢治いわて学センター第14回研究会チラシ

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