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宮沢賢治いわて学センター 第17回研究会のご報告

掲載日ニュース


名 称: 岩手大学人文社会科学部 宮沢賢治いわて学センター 第17回研究会
(旧・岩手大学宮澤賢治センター第122回定例研究会)
日 時: 2023(令和5)年1月31日(火)17:00~18:00
会 場: オンライン(Zoom Meetings使用)
講 師: 瀬川 愛美 氏(明治大学兼任講師/フランス語学)
演 題: 宮澤賢治の童話における日本語オノマトペとフランス語訳について
司 会: 木村直弘(当センター副センター長)
参会者: 49名

【発表要旨】
 発表者が執筆した博士学位請求論文「日本語オノマトペの仏語訳研究──宮澤賢治童話を資料として」から一部分を紹介した。例文には、宮澤賢治の童話「セロ弾きのゴーシュ」「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」とHélène Moritaによるフランス語訳、Gauche le violoncellisteTrain de nuit dans la voie lactéeMatasaburo, le ventを使用し、原文に現れる日本語オノマトペの型に注目しながら、オノマトペ特有の形態的特徴に伴ってうみ出される種々のニュアンスが、フランス語として訳される際にどういった対応がなされているのか検討した。本発表では、日本語オノマトペの型として、「基本要素そのままのオノマトペ」、「促音付加」、「撥音付加」、「促音挿入/り付加」、「長音挿入/り付加」、「反復」を取り上げた。宮澤賢治独自のオノマトペも、オノマトペの型から分析が可能であることに加え、3つの童話に見られた日本語オノマトペ全629例において、〈固定性〉〈残存性〉〈完結性〉のニュアンスは、他のニュアンスと比較して、仏語訳に写しやすいという傾向を示した。

 

岩手大学人文社会科学部宮沢賢治いわて学センター第17回研究会チラシPDF

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