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宮沢賢治いわて学センター 第31回研究会のご報告

掲載日ニュース


名 称: 岩手大学人文社会科学部 宮沢賢治いわて学センター 第31回研究会
(旧・岩手大学宮澤賢治センター第136回定例研究会)
日 時: 2025(令和7)年5月30日(金)17:00~18:30
形 式: オンライン形式(Zoom Meetings)
講 師: クリスティーナ・イヴァノヴァ  氏(ブルガリア国立ソフィア大学大学院博士課程/日本学)
演 題: ブルガリアにおける宮沢賢治の受容
司 会: 木村直弘(当センター副センター長)
参会者: 40名

【発表要旨】
 ブルガリアでは、日本文化に対する関心が高まっています。子供たちはアニメ・ポップカルチャーに惹かれていますが、最近は日本の伝統文化も非常にブームになっています。もちろん、日本語教室も大人気です。しかも、そのブームの一つの理由は日本文学のブルガリア語翻訳だと思われます。
 日本文学の翻訳は1920年代から始まりましたが、日本語の専門家がいなかったため、70年代までは他の言語に訳されたものからの重訳が普通でした。1959年に外交関係が開始されてからは日本語に触れる機会が増え、73年にソフィア大学で初めての日本語夜間講座が開かれました。続いて77年に川端康成の「雪国」の翻訳が出て、芥川龍之介や井伏鱒二等の翻訳が続き、81年に宮沢賢治の「よだかの星」の翻訳も出ました。現代では、村田沙耶香「コンビニ人間」等が人気です。
 また、賢治の作品がソフィア大学の日本学科の翻訳クラス等で教えられています。そのため、同大学でアンケート調査を行い、読解傾向を調べました。更に、80年代の翻訳者にもインタビューを行い、翻訳動機などについて訊ねた結果を報告しました。
 最後に、現在博士論文で取り組んでいる「銀河鉄道の夜」草稿に関するこれまでの自身の研究結果と仮説を提示し、当日参加の他の研究者と意見交換を行いました。

宮沢賢治いわて学センター第31回研究会チラシ

 

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