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宮沢賢治いわて学センター 第37回研究会のご報告

掲載日ニュース


名 称: 岩手大学人文社会科学部 宮沢賢治いわて学センター 第37回研究会
(旧・岩手大学宮澤賢治センター第142回定例研究会)
日 時: 2026(令和8)年8月31日(月)17:00~18:00
形 式: オンライン形式(Zoom Meetings)
講 師: 藤本 幸二 氏(岩手大学人文社会科学部/西洋法制史)
演 題: 原敬の陪審制構想と『一山百文』
司 会: 小野澤章子(当センター兼務教員)
参会者: 29名

【発表要旨】
 本報告は、原敬による陪審制導入構想の思想的背景について、西洋法制史の視点から再検討することを目的としたものである。従来の研究では、原敬の陪審制論は、日糖事件や大逆事件を契機として司法官僚の独走を抑制し、政党政治の発展を促すこと、あるいは誤判時の天皇の責任問題を回避することに主眼があったと理解されてきた。しかし、こうした政治的機能に加え、原敬の「地方」観との関連にも注目すべき点があると考えられる。本報告ではまず、イングランド法史における陪審制の成立過程を概観し、それが地方慣習と中央権力を媒介する制度として機能したことを確認した。次に、原敬が東北出身者として抱いていた地方振興への強い関心や、「白河以北一山百文」に象徴される地域差別への問題意識を検討した。そのうえで、陪審制には地方住民の法意識の形成を促すとともに、地域社会の常識や慣習を国家の司法作用に取り込む機能が期待されていた可能性を指摘した。今後は『原敬日記』をはじめとする一次史料や原敬文庫所蔵資料の分析を通じて、原敬の地方観と陪審制思想との具体的な連関を検証し、日本における陪審制受容の思想史的背景を再考したい。

 

 

宮沢賢治いわて学センター第37回研究会チラシ

 

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