研究室探訪吉村 武洋

吉村 武洋

YOSHIMURA Takehiro

地域政策課程 【地方財政論】

  • 一橋大学経済学部 卒業 (2008年)
  • 一橋大学大学院経済学研究科 修士課程修了 (2010年)
  • 一橋大学大学院経済学研究科 博士課程修了 (2014年)

掲載日


専門分野について

先生の研究内容を教えてください

私は、「政府の経済」ともいえる「財政」について研究しています。特に、地方自治体が行う具体的な政策について、どのようにお金(財源)を集め、どのようなことに使っているのかを研究しています。

私たちは、モノやサービスをお店で買うことで手に入れています。こうした経済の仕組みは「市場の経済」と呼ばれます。市場の経済では、売り手と買い手が、お金を通じて商品をやり取りし、お互いに満足のいく結果を得ています。たとえば、買い手は欲しいものをお金で買い、売り手は売りたいものをお金に換えています。

一方で、政府も人々に財やサービスを提供していますが、そのためのお金は、主に「税金」として人々から集められます。この税金は、国だけでなく、都道府県や市区町村といった複数のレベルで徴収されています。こうした政府の経済活動である「財政」は、私たちの生活に大きな影響を与えています。

私は、政府がどのようなことにお金を使っているのか、またそのお金がどこから来ているのか(だれが負担しているのか)について、いくつかのテーマに絞って研究しています。最近は、森林の管理に必要なお金を集めるために、多くの府県で導入されている「地方森林環境税」と、それに関わる財政の仕組みに注目して研究を進めています。

講義について

どういった内容の授業を行いますか

主に「財政学」や「地方財政論」を担当していますが、経済に関する他の授業も行っています。

私の授業では、まず物事を考えるための基礎的な知識をしっかり身につけることを大切にしています。印象や思いつきではなく、根拠のある議論ができるように、テキストや文献を丁寧に読み、基礎を固めていきます。

また、学んだ知識が、日々の生活やニュースとどう関係しているのかを意識してもらうようにしています。そのため、授業では、できるだけ学生に発言の機会を設け、双方向のやりとりを大切にしています。またゼミナールでは、参加者全員が自分の言葉で発言できるような雰囲気づくりを心がけています。

さらに、授業やゼミでは、現場で活躍されている方々のお話を伺う機会を可能な範囲で設けています。実際の現場でどういった課題に取り組まれているかを知ることは、学生にとって大きな学びになると思います。

高校生へのメッセージ

岩手や盛岡という地域は、さまざまなことを考えるうえで、とても恵まれたフィールドです。また、岩手大学人文社会科学部地域政策課程は、法学・経済学・環境学を基礎に、幅広い学問分野の視点を取り入れながら、自分なりの分析を深めることができる場所です。

経済や財政のこれからに関心のある皆さんと、岩手や盛岡という地域を舞台に、一緒に学びを深めていけたら嬉しいです。


ページトップへ