研究室探訪金森由妃

金森由妃

Kanamori Yuki

地域政策課程 【環境生態学・環境統計学】

  • 信州大学理学部生物科学科 卒業 (2013年)
  • 北海道大学大学院環境科学院生物圏科学専攻博士前期課程 修了 (2015年)
  • 北海道大学大学院環境科学院生物圏科学専攻博士後期課程 修了 (2018年)

掲載日


専門分野について

先生の研究内容を教えてください

気候変動にともなう環境の変化によって生物の生息域がどう変化してきているのか?、その結果、生物間の関係性や生態系がどのように変わってしまうのか?について研究しています。主に海洋生物を研究対象としていますが、樹木などの陸上生物のデータ解析もしています。気候変動の影響の理解となると、長期かつ広域のビッグデータを扱うことになるので、データサイエンス(プログラミング、統計解析や機械学習など)も行っています。

生態学に興味を持ったきっかけを教えてください

学部2年生の時に、伊豆諸島でヘビとトカゲを捕まえる野外調査バイトをしたことがきっかけで生態学に興味を持ちました。その後、卒業研究で河川の魚類調査を行った際に「なぜこんなにも色々な生物が同じ場所に生息できるのだろう?どういう条件だと色々な生物が生息することができるのだろう?」という生物の多様性とその仕組みに興味を持ちました。そういったことは群集生態学という分野だと分かったので、群集生態学が学べる大学院へ進学をしました。

講義について

どういった内容の授業を行いますか

生態学の講義を行なっています。生態学とは「どんな生き物がどこにどれだけの量いて、どう時間変化するのか?それらに環境がどう影響しているのか?」を明らかにする科学です。魚1匹のような「個体」、同じ種類の個体の集まりである「個体群」、複数の種類の生き物の集まりである「群集」、より大スケールである「生態系」など、生態学には様々な階層があります。環境生態学Aでは、個体から生態系までを順に学修します。環境生態学Bでは、群集生態学についてみんなで教科書を輪読し、より深く学修します。

講義で気を付けていることはありますか

高校までに生物を学習していない人や、理系科目に苦手意識を持っている人でも楽しく学べるような講義になるよう心掛けています。環境生態学Aでは毎回レポートがあるのですが、なるべく身近な生き物を対象に講義で学修したトピックについて調べたり考えたりするような内容にしています。例えば、「あなたが今日食べたものについて、生活史や食物網構造を調べてみましょう」など。提出してもらったレポートは、よくできていた点、面白い内容、誤解が多かった点などを次の講義のはじめに紹介して、必要に応じて復習や補足を行い、レポートをやりっ放しにするのではなく、レポートからも学修できるようにしています。

高校生へのメッセージ

高校生の時点で将来の夢を見つけることは難しいことだと思います。現に私は、高校生の時に何になりたいのか分からなくて、大学や学部を選ぶことに苦労をしました。もし既に夢がある人は、それだけでもすごいことです。自信を持って、その夢に向かって頑張ってください。もしまだ夢がない人は、まずは今できることをコツコツこなせば、未来はきっとひらけてきます。いずれにせよ、視野を広く持って、たくさん悩みながら、何事にも積極的に挑戦して欲しいなと思います。

私が所属する地域環境プログラムは、様々な学問分野(社会学、政策論、経済学、化学、生態学など)から「環境」について考えることができる場所です。こんなにも多角的な視点から環境を考えることができる教育環境は、なかなかないと思います(その分、文系・理系の垣根を超えて幅広い知識が必要になってくるので、大変なこともあると思いますが…)。環境について学びたい人がいましたら、一緒に学修してみませんか?学修の中で、生態学について興味を持ってくれる学生がいたらとても嬉しいです。


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